| Particle3 | 「水が飲みたい」と「水を飲みたい」の違いは? |
| 回答 | 日本語を母国語としている人達の間では、この「が」と「を」は、「出版する」とか「編集する」のような特殊なVerbal以外は、無意識的に好きな方を使っていると考えられますし、違いはないと考えて良いと思います。 しかし、文法的には以下のように違いを説明することができます。 (これは日本語の先生なら知っておかなければいけない文法的理解ではありますが学生に必ず説明する必要はないと考えます) @「水を飲みたい」について これは、まず「水を飲む」という既成の文があり、それに「〜〜たい」というadjectival(アジェクタイヴァル)の要素がその後に加えられたと分析できます。(もちろん日本語が母国語の話者は無意識的に正しく@とAを使い分けているわけですが) そうなると「水」と「飲む」というつながりは、direct object(直接目的語)+transitive verbal(他動詞)というパターンで非常に密ですので、目的語であることを示すParticle「を」がそこにくることができます。 A「水が飲みたい」について この文は「水」というのnominalと「飲みたい」というcompound-adjectival(複合アジェクタイヴァル)で成り立っている文と考えることができます。 このcompound-adjectival(複合アジェクタイヴァル)とは、「飲み」というverbal stem form(※1)に「た」というdesire indicator(※2)が伴い、adjectivalの活用をとるという特殊なもので、文法的にはadjectivalと同様の動きをします。 Adjectivalは「Xを」のようなdirect object(直接目的語)を取ることができませんから、Compound-adjectivalも同様で、よって「飲みたい」は「Xを」というdirect objectを取ることができず、そのため「水が飲みたい」(※3)という文になります。 ※ 1 verbal stem form……verbalを「〜〜ます」の形にして、「ます」を取り去った物 例・・・「飲みます」→「飲み」 「食べます」→「食べ」 ※ 2 desire indicator……直訳すると「欲求の標識」となるように、verbal stem formのあとにくる「た」は、欲求、要求を表す標識となっている。「た」を付けることで、そのverbalの動作をやりたいことを示す。 ※ 3 「水が飲みたい」……この文は「○○が」が省略されている。本来は「○○が水が飲みたい」となる。 ※JUMPsystemでは、品詞名を以下のように使っている。その詳細は別項。 verbal……動詞のこと Particle……助詞のこと のnominal……いわゆる名詞のこと adjectival……これまでの日本語文法で「い形容詞」と呼ばれるもの |